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佐久間 隆*; Basar, K.*; Xianglian*; Siagian, S.*; 高橋 東之*; 井川 直樹
no journal, ,
散漫散乱は結晶中の原子の短距離秩序や熱振動の情報を反映する。本発表では、中性子散漫散乱法による原子間距離と原子熱振動における相関効果の温度依存性について検討した。銀ハロゲン化物と銅ハロゲン化物における中性子散漫散乱について 第一,第二,第三近接原子間の熱振動の相関効果を用いて解析した結果、これらの相関効果は原子間距離の増加に伴って急激に減少し、また、温度の低下に伴って減少した。この温度依存性は格子振動の単純なデバイモデルによって得られた結果とよく一致した。
米田 安宏; 小原 真司*
no journal, ,
強誘電体の相転移は多くの場合、平均構造によって理解されてきた。しかし、リラクサー強誘電体の出現によって平均構造だけでは理解できないケースが生じてきた。そこで平均構造のみでなく、相転移の局所構造にも注目して強誘電体の相転移を理解しようとしている。従来の強誘電体では、強誘電的相転移の際の局所構造の変化はほとんど観測されることはなかったが、われわれの行ったPDF解析によってBiFeOは相転移近傍で大きく局所構造が変化することがわかった。このBiFeOと典型的な強誘電体とされているBaTiOは常誘電体相と強誘電体相では同じ構造を持っている。しかし、BaTiOは相転移近傍での局所構造の変化はなかった。BaTiOとBiFeOは平均構造では同じ相転移系列であると理解されているが、局所構造からは全く異なる相転移を起こしていることがわかった。
社本 真一
no journal, ,
乱れた結晶構造を持つ先端的な機能性物質が存在する。これらの機能性物質はその結晶構造に乱れた部分と高い結晶性部分とがある。結晶PDF解析はその乱れた結晶構造を調べるのに適している。その構造研究では例えば、電気伝導部分が高い結晶性を維持したまま、その結晶にどのように効率的に乱れを導入するかが問題となる。パルス中性子粉末構造解析はこの種の研究に最善の道具の一つと言える。